不妊症:原因と治療法

卵胞刺激ホルモン

FSH(卵胞刺激ホルモン)値が高いといわれたら:不妊症と不妊治療

排卵機能不全による不妊

子宮内膜症こそが最大の不妊の原因だと考える専門家もいますが、当センターでの長い経験から、私たちは、本来なら毎月女性の卵巣から卵子がひとつ排卵されるメカニズムが狂ってしまった状態、つまり排卵障害が、最もよく見られる不妊の原因だと考えています。最もよくある排卵障害の原因は多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)と呼ばれる病気ですが、排卵障害には他にもさまざまな原因があります。CHRでは、30年近い経験に基づいて、さまざまなタイプの排卵障害の治療法を蓄積してきました。

卵管異常に基づく不妊

骨盤内炎症性疾患や子宮内膜症によって卵管が侵されてしまうと、卵管異状による不妊につながります。卵管異状による不妊には、異状の起こっている卵管を外科的に治療することが必要になる場合が多々あります。CHRのディレクター、Gleicher医師は、閉塞した卵管の治療に経膣カテーテルを使う方法を開発した、低侵襲手術による卵管異常の治療の第一人者です。このようにCHRでは、卵管異状に基づく不妊の治療にかなりの実績があります。

子宮内膜症

子宮内膜症から不妊に至る過程にはいくつかのパターンがあります。上で解説した卵管異常が起こる場合、卵巣や卵子の質に問題が起こってくる場合、また、妊娠しても流産の確率が高くなってしまう場合、などです。子宮内膜症と自己免疫疾患の関係について独自の研究を行ってきたGleicher医師によると、子宮内膜症に原因のある不妊症の場合、自己免疫疾患が関係していることが多々あります。このため、このタイプの不妊症の治療には、個々の患者の自己免疫の状態を考慮する必要があります。Gleicher医師の、自己免疫異常に関する専門知識は、お二人の不妊症の治療に大きな力を発揮するはずです。

外科的不妊

最近の体外受精技術の進歩によって、解剖学上の異状による不妊であっても、外科手術が必要になるものは随分と数が少なくなりました。しかし、子宮筋腫の摘出、卵巣嚢胞の切除、異状のある卵管の外科的形成術など、有能な婦人科外科医の介入が必要になる場合もまだまだ存在します。当センターの医師たちはみな婦人科外科医としての訓練を受けており、特に低侵襲手術に関しては熟練の腕を持っています。

自己免疫異常による不妊

女性の自己免疫異常が不妊につながるかどうかについては、医学界でも意見が分かれるところですが、当センターでの研究、および他機関による最近の研究に基づいて、私たちは、女性の自己免疫異常が不妊を起こす可能性はかなり高いと考えています。医学的な介入を要しない程度の自己免疫異常であっても、正常な妊娠の妨げになることがあるようです。

ホルモン異状による不妊

不妊につながるホルモン異状には、甲状腺機能低下症、高プロラクチン血症、黄体機能不全(黄体ホルモンが十分に分泌されない状態)などがあります。私たちのセンターでは、患者向け医療サービスに加えて最先端の研究にも力を入れていますので、ホルモン異状による不妊に悩む方々に、最新の研究結果を踏まえた治療法を提案することができます。当センターでの、卵巣機能が低下した女性におけるDHEAの使用は、この一例と言えるでしょう。当センターでの研究の結果、DHEAには妊娠の成功率を上げ、さらには流産の確率を下げる効果があることが確認されています。

原因不明の不妊

原因不明の不妊、という診断は、単に、医師がお二人の不妊の根本的な原因を特定できなかった、ということでしかありません。不妊の原因を調べるための検査が不十分であれば、このような診断しか出せないのも当然です。私たちの経験では、「原因不明の不妊」と診断されたカップルのほとんどに、見落とされた子宮内膜症か、自己免疫性の不妊症があることが分かっています。当センターでは、適切かつ広範な検査を行うことで、「原因不明の不妊」という曖昧な診断に逃げることなく、ほぼ100%不妊の根本的な原因を突き止めることができます。不妊の根本的な原因が分からなければ、お二人が赤ちゃんを連れて家に帰れるよう、本当の原因に的を絞った治療をすることもできないのです。

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不妊の原因としての不育症(習慣性流産)

不育症(習慣性流産)にはいくつもの原因が考えられます。流産の85%ほどは染色体異常が原因となって起こりますが、胎児の心音が確認された後に何度も流産してしまう場合、胎児側の染色体異常よりも、母体側の自己免疫異常を疑う必要があります。お二人の不育症の原因が自己免疫異常である場合、当センターのGleicher医師の自己免疫異常に関する幅広い知識と経験がお二人の治療に役立つ可能性は十分にあります。私たちのセンターでは、アスピリン、コルチコステロイド、ヘパリンなど、効果の実証されている薬を使い、さらに一人ひとりの女性の体に合わせて用量を調整することで、自己免疫異常による不育症に悩む女性たちが無事に予定日まで赤ちゃんを子宮内で育てられるよう、お手伝いしています。

こうした先進的な不育症の治療を陰で支えているのが、当センターのラボです。私たちのラボは、生殖免疫学にまつわる診断に関しては合衆国でも随一の成果を誇っており、このラボでの包括的かつ正確な検査の結果が、私たちの不育症治療の土台となっているのです。

Last Updated: November 15, 2014